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ノロウイルス感染症とその対応・予防


毎年11月頃から翌年の4月にかけて、ノロウイルスの感染を原因とするウイルス性のおう吐・下痢症が流行します。
特に保育園(所)、幼稚園、小学校などの子ども達が集団生活を送っている施設では、内部でヒトからヒトに感染し、爆発的に流行することがあります。
ノロウイルスのヒトからヒトへの感染力はきわめて強力です。

予防方法
ノロウイルスにはワクチンもなく、感染を防ぐことは簡単ではありません。そして特に子ども達や高齢者には簡単に感染して発病します。
最も重要で、効果的な予防方法は「流水・石けんによる手洗い」ですが、他にも様々な注意すべきことがあります。
  • 調理の前後に流水・石けん(液体石けんが推奨)による手洗いをしっかりと行う
  • 貝類を内臓を含んだままで加熱調理する際には、充分に加熱(85度、1分以上)して調理し、貝類を調理したまな板や包丁はすぐに熱湯消毒すること
  • 食事を配膳する際にも手洗いをする
おう吐物・下痢便の処理
ノロウイルス感染症の場合、そのおう吐物や下痢便には、ノロウイルスが大量に含まれています。そしてわずかな量のウイルスが体の中に入っただけで容易に感染します。
ノロウイルスは塩素系の消毒剤(商品名:ピューラックス、ミルトンなど)や家庭用漂白剤(商品名:ハイター、ブリーチなど)でなければ効果的な消毒はできません。取り扱いには注意が必要です。
    ノロウイルス感染防止のための消毒液の作り方
    • 用意するもの
    • ■500mlのペットボトル
      ■家庭用塩素系漂白剤(ハイター、キッチンハイター使用)
      (※ワイドハイターは不可!)
      ■じょうご(金属製は不可)
      ■ゴム、ビニール手袋は必ず使用してください

    • 消毒液の作り方
    • ■おう吐に直接処理する場合
      500mlのペットボトルに少し水を入れ、じょうごなどを使ってこぼさないようにペットボトルのキャップ約2杯(10cc/次亜塩素酸ナトリウム濃度約1000ppm)の塩素系漂白剤を入れます。そして、水をペットボトルいっぱいまで入れ、ふたをきっちり閉めてよく振る。
      ■トイレ、衣類、ドアノブ他を処理する場合
      500mlのペットボトルに少し水を入れ、じょうごなどを使ってこぼさないようにペットボトルのキャップの約半分弱(2cc/次亜塩素酸ナトリウム濃度約200ppm)の塩素系漂白剤を入れます。そして、水をペットボトルいっぱいまで入れ、ふたをきっちり閉めてよく振る。
    • おう吐物の処理方法
    • おう吐の処理は、乾かないうちにすばやく処理します。
      周囲への二次感染も防ぐために迅速な行動が大切です。
      また、おう吐物を固めて処理する薬剤も販売されています。
次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合の注意
*皮膚に対する刺激が強いため、手洗いや手指等の消毒に使用することは絶対にやめてください
*使用するときは、消毒液が直接皮膚にふれないように樹脂性(ビニールなど)の手袋を使用してください。
消毒液が皮膚や衣服についた場合は、直ちに水で洗い流してください。
*使用するときは、換気を充分に行ってください。
*他の薬剤と混ぜると危険な場合があります。特に酸性の強い洗剤と混ぜると有毒ガスが発生しますので注意してください。
*金属に対しては腐食性があるため、原則使用しませんが、使用した場合は、使用後にしっかりと水で洗い流すかふき取ってください。
*薄めた消毒液は時間が経つにつれ効果がなくなりますので、使うときに原液を希釈して必要な分だけ作り、作り置きはしないでください。
*塩素は日光で容易に分解しますので、原液は直射日光の当たるところや、高温の場所にはおかないでください。
参考文献
今回の記事はファーマシー青樹薬局さん(赤磐市桜が丘西2-1-12)が発行されている「くすり屋さんの定期便」2017/2月号を参考にしました。